MicrosoftによるYahoo!買収で見えたITゴリラゲーム戦線の拡大
MicrosoftによるYahoo!買収提案。日本の企業だと冗談じゃないと無条件に反発しそうなものだが、そこは株主と株価への責任が重視される北米の公開企業。破格の条件提示に対しては急ぎ、誠実に検討するという回答がなされた。
対Google対抗での枠組みだけで語られているが、むしろエンタープライズIT業界での競争とネットサービスインフラとが近づいており、ネットサービスという層を取らないことで、マイクロソフトの本丸たる、Officeやサーバーコンピューティング、そして来るクラウドコンピューティングの存在感を無くし、ひいてはMicrosoft自体の存在が危うくなると考えているようにみえる。
かつて、キャズムのムーア氏の資料を基に2007年版をつくったエンタープライズゴリラゲーム 2007の表を引用しよう。
下はプロセッサーから、上はコンピューティングサービスまでの層になっている。しかし、この上下の次元には、クラウドコンピューティングとかSaaSとかの観点の軸がもともと無かった。また、ユーティリティコンピューティングへとシフトするなか、GoogleやYahoo!が提供するネットサービスはエンタープライズコンピューティングとの境目が薄れつつあり、その領域で勢いを強めているGoogleが、競争の枠組みを変えて土俵を奪いかねない情勢に見えたのだろう。
将来、「ゴリラ」として陣地を固めた企業が生き残り、チンパンジーたちは蹴散らされるのではないかとか言われてきた。そして、MicrosoftがYahoo!を買収することに成功したそのときに、Googleが8匹目のゴリラとして競争に参入したというマイルストンになることだろう。
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